私は座右の銘と聞かれるので、高校時代の漢文で学んだことわざの「人間万事塞翁が馬」と答えています。

毎年7月に北海道苫小牧市で行われるサラブレッドのセレクトセールというセリがありますが、今年の最高値はキタサンブラックとデルフィニアの子でしたが5億900千万円で落札されました。

以前、このセレクトセールに申し込んで見学した時に、会場に新車のフェラリー(Ferrari)の販売展示があり、何で販売しているのか関係者に聞いたら、セリで落とせなかった人が、腹いせに買う馬主さんがいるとのことで笑いましたが、フェラリーは「馬」のマークなので納得しました。

知人から、ウマノアシガタという野に咲く花を素材にした、いつも額縁入りの押し花の絵をいただくのですが、この「ウマノアシガタ」という花が散りばめているのです。

この花を摘みに北海道様似の牧場にまで行くという知人がおります。

地元の様似の人も「ウマノアシガタ」はどのような野の花かわかりませんでした。

いつも、見慣れた野の花でしたが、よくよく調べたら、5月に野の花として、群生しているが、名前がわからなかったのです。

別名「金鳳花」という名前です。

ウマノアシガタという名前の通り「馬の足形」に葉が似ているので、このような名前になっているとの事でした。

摘んで送ってやるのも、押し花の仕方もわすれたので、群生している場所を知っているので眺めるだけにしました。

今放映中の朝ドラの「虎に翼」のタイトルに「女房は百日、馬は二十日」とありましたが、意味は「妻は100日、馬は20日もすれば飽きてしまう」という意味ですが、どんなものも、最初のうちは珍しがられるが、すぐに飽きられてしまうことの例えです。

版画家の大野隆司から、カラー刷りで「驥(き)は老いて櫪(れき)に伏すも志は千里にあり」という文字と馬の顔を彫ったものの版画の額縁入りの作品と版画を擦ったテイーシャツをいただきました。

この作品は読売新聞のコラムの挿絵(さしえ)に使用したものです。

駿馬は年老いて馬屋につながれていても、なお千里を走ろうという気持ちを失わないという意味です。

三国志の中心人物の曹操のことばですが、私もこの心境をもちつづけたいものです。

上野公園の東照宮の掲示板に「良馬は毛にあらず、士たるはその志にあり」尾藤二州の言葉ですが、人の尊敬をうけるものは、その外見ではなく、人格、人柄という心の持ち方(志)によって決まるものであるという意味ですと説明がありました。

世界の規則としてサラブレッドの種付けは人工授精では、血統が証明できないので種付けをしますが、日本の今の一番高額な種付け料はキタサンブラックの2000万円です。

サラブレッドは、血統書が必ず保有していて、我々のように血統書のないどこの馬の骨かわからない私とは違い、高貴なものなのです。

「無事之名馬」とは、作家の菊池寛の言葉です。健康が何よりとすると、我々も無事之人間でありたいものです。

「埒(らち)が明かない」とは、馬場の周囲に巡らした柵のことを言いますが、私は埒が空きそうにない事ばかりです。

ジャガイモを、馬鈴薯ともいいますが、馬に付ける鈴の形に似ているからです。

またゴショイモともいいますが、一株から五升も芋がとれるからです。

ジャガイモは、1598年頃にオランダ人により東洋貿易の根拠地としてジャワ島のジャカルタから長崎に伝わりジャガタライモがジャガイモとなったとの事です。

ハンドバックのブランドの「HERMES」、「LONGCHAMP」、「COACH」の創業者は、サドラー(saddler)という馬具師なので、マークが馬のデザインなのです。

馬に付ける馬具ですが、鐙(あぶみ)、鞍(くら)、轡(くつわ)、蘅(はみ)、手綱(たずな)等々とあり、馬具師が制作した皮製品のこれらのものを装着しなければ、馬に乗れません。

自転車の腰掛をサドルといいますが、馬に乗るときに使う「鞍(saddle)」、「鞍の革」という意味になります。昔のサドルは、革製品であった事を思い出しました。

馬具屋をサドラー(SADDIER)というのは、鞍を製造するからではないかなと思っています。

「馬の耳に念仏」「生き馬の目を抜く」「馬耳東風」「馬子にも衣裳」といろいろと言葉がありますが、馬力を利用した農耕作業等と人間と密着して生活していたので、言葉があるでしょうね。1馬力とは、75kgの荷物を1秒間1m持ち上げる力をいうそうで、まだ私には1馬力はあるかな。

令和6年7月31日

小関勝紀

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