遺産分割がスムーズに進まない事が多く発生するので、遺言書作成を勧めることもあり、先日も公正証書遺言の立会人として公証人役場に出向事が多くなりました。
依頼者が、いざ公正証書遺言に自署押印の時、この頃手が震えて自分の名前を書くのが大変だと言う人がよくいます。
その時思い出したことですが、以前私署遺言書の原稿を示して書いてもらおうとしたら、私の面前なので緊張からか、年齢から手が震えて書けなかったので、ゆっくり作成してくださいと当日は帰りましたが、その後無事に作成されていました。
兄弟姉妹の法定相続人の代襲相続人の甥子、姪子には、遺留分減殺請求はできません。
令和6年から不動産の相続移転登記には、期限があり法制化されました。
先日顧問先の方に、北海道の登記所から、わざわざ法定相続人を戸籍で探し出して、昭和初期から相続の移転登記が申請されていないので、移転登記をするようにとの文書が郵送されてきました。
公正証書遺言、私署遺言書でも被相続人には、作成していれば、遺留分減殺請求されても、意志が働きますから、遺言書が無いよりは有った方がよいです。
事件1 親子との対立
地元では、神社仏閣の土地も所有していたので、公正証書遺言を作成していました。
父の相続開始が開始したので、兄弟姉妹に開示しましたが、相続財産は母に相続される内容でしたが、兄弟姉妹の法定相続人の一人が実母に対して遺留分減殺請求を提訴してきました。
実母は、ショックで病気となり寝込む事なりました。遺留分減殺請求に応じた割合の金銭を分配はしましたが、土地は神社仏閣に利用しているので、無関係の者が相続されては地元の人も困ってしまうのです。
母も公正証書遺言は残していますが、また遺留分減殺請求をして来ることは、目に見えておりますので対策として、配偶者、孫と養子縁組をして遺留分減殺請求されても請求分を減少するように対処しております。
事件2 兄弟姉妹の対立
M社は、兄弟姉妹とその家族も働いている、同族経営の会社であった。その創業者には会社を継承する者に、会社の株式を相続させないと、どんなに穏やかに会社に従事していても内紛が、発生すると会社の存続が危ぶまれるので、遺言書を残したほうが良いと進言しました。
創業者は、遺言書の作成には快く応じたので後日に例文、保管の封筒、便箋を郵送して本人は作成をしたので、保管、事前開封の無効、その後家庭裁判所の検認の仕方を伝授しました。
案の定、他の兄弟姉妹はその会社を承継した子供の兄に、遺言書の筆跡が被相続人の父のものでないと、又遺留分減殺請求を提訴しました。
相続開始後に、家庭裁判所の検認後の遺言書の内容、筆跡は本人のものでありますが、筆跡鑑定で揺さぶりかけて、遺留分減殺請求で少しでも財産、株式の分配を受けたいという気持ちは理解できますが、仲良く皆で会社経営に従事すればよいと思いますが、それぞれの伴 侶もいてけし掛けるものなのです。
筆跡については、生前に司法書士立ち合いで世話になっていた、兄の妻に贈与した贈与契約書と同じ筆跡でありました。
事件3 兄弟姉妹の対立
私署遺言書の内容が、母の介護をしていた者に、全財産を相続するというものでした。
その私署遺言書を拝見しましたが明らかに強制的に書かされたという、筆跡なのです。
私署遺言書作成した時に手が震えていた様子で自分の名前も字が飛んでいるものでした。
また、遺言書作成時には認知度も進んでいたので、遺言書の無効、強制的の遺言書の作成で法定相続人の欠格事由で訴える事も考えましたが、他の法定相続人は大人で自立していたので告訴はしませんでした。
他の兄弟姉妹は、自分たちが仕事を使用している土地があるので、遺留分減殺請求をしました。
事件4 代襲相続人の甥っ子、姪っ子の代までは面倒
私署遺言書を残していましたが、家庭裁判所の検認も終わりましたが、実の娘が遺留分減殺請求を提訴したわけではありませんが、法定相続人で改めて、「分割協議書」を作成して、話し合いで金銭の財産を分与しました。その「分割協議書」に後日発見された遺産は、どなたかに相続するという文言がうっかり記入漏れをしてしいました。
その後、株券が発見されましたが、実の娘が生活保護を受けながら、病気入院中で「分割協議書」追加、訂正が出来ず、株式の相続には、期限があり相続できませんでした。
この実の娘は駆け落ち同然で結婚して勘当されて、亭主も生活力もなく生活保護を受ける晩年でした。市役所から甥子、姪子に遺体の引き取りで連絡が来て亡くなった事を知りました。
事件5 三姉妹の泥仕合も
三姉妹の相続であったが、遺言書が存在しないため、分割協議書を作成しなければならないのであったが、相続開始後に協議することもなく、一人の法定相続人が女性弁護士を通じて法定相続分の三分の一を要求してきました。
他の二人も結局別々の弁護士に依頼することとなり、時間、労力、費用を要することとなりました。要求してきた法定相続人は、葬儀に参列もなく、その後の相続財産の処分、預金解約、檀家の墓守も一切行わず金銭だけを要求してきました。後日、知りましたが子供時代に親が養子縁組として出したが、そのことに私恨を残したと思われます。
法定相続人の住まいが、九州、関西、東北と皆さま遠方で本人、弁護士の交通費の負担も大変でした。また、地方裁判所の管轄も東北で遠方でした。揉めれば、揉めるほど無駄な費用、相続税等の税金で国に没収されます。
税理士としての私も、相続開始から申告期限の10ケ月以内に未分割で申告して、その後具体的に分割された「修正申告」、「更正の請求」と作業も増加することとなります。
事件6 三姉妹の調停
女三人寄れば姦(かしま)しいとか、女三人うまくいかないとか、言われますが、三姉妹だけの相続は、本当に相続分割は揉めに揉めた案件が上記事件5と二件ありました。
もう一件は、相続税申告期限の10ケ月に分割できなかったので、未分割の状態での三分の一で申告することとなりました。三人が集まった時に私も介在しましたが、分割を不成立でした。
分割までは、時間を要したので、固定資産税の負担、管理不備、実家は雑草、朽ちるし隣近所にも迷惑をかける事態となりました。不動産の売却は、分割が出来なければ譲渡もできません。
相続とは、兄弟姉妹に事業の失敗、強欲、貧困等の人がいると纏まりません。
不動産は利用価値がなければ、負の遺産となり、まさに不動産でなく「負動産」となり維持管理が大変です。終活の一つとして早めに売却して換金しておいた方がよいと実感しております。
事件7 公正証書遺言の撤回、廃棄
最初の公正証書遺言書の作成には、立ち合いましたが、心の変化もあり、最初の公正証書遺言を取り消したいと言ってきたので、取り消しの立ち合いにも、同行しました。
家族関係、心の変化で、遺言書の作成は何回でも作成してもよく、最後に作成したものに効力があります。
離婚の財産分与も、相続も財産分割で揉めると、当事者の財産は、国に相続税、所得税と余分な税金負担することとなります、それぞれ依頼した弁護士に財産が移転しますよ。
相続が争続.争族となり、親子、兄弟姉妹の対立から親戚付き合いもなくなり、寂しい人間関係となります。
子供は日常いつも親の背中を見ていますよ。
令和6年2月29日
小関勝紀