黒澤明監督の「影武者」という映画は、武田信玄が徳川家康の野
田城攻めの折、鉄砲で撃たれか、病死かこの世を去った死を消す
ため、武田信玄の影武者を立てるというストーリーです。今、放映され
ているNHK大河ドラマの「どうする家康」には、武田信玄が出ている
ので、思い出してのテーマです。
武田信玄との三方ヶ原の戦いで大敗を喫して逃げる時ときに、徳川
家康の影武者となり身代わりとなって夏目吉信が討ち死にした隙に、
徳川家康が無事に帰還出来たという史実が語られています。
「風林火山」は武田信玄の旗印ですが、以下の略語からのものです。
これは、孫子の兵法といわれている。
疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山 の語尾の漢字から風林火
山となるが、
その疾(はや)きこと風のごとし
その徐(しずか)なること林のごとく
侵掠(しんりゃく)すること火のごとく
動かざること山のごとく

人は城
人は石垣
人は堀
情けは味方
仇(あだ)は敵なり

躑躅(つつじ)が崎館という城の造りが堀に囲まれ、高い場所でないの
は、立派な城があっても人の力がないと役に立たない、国を支える一
番の力は人の力であり、信頼できる人の集まりがあれば強固な城に
指摘するという武田信玄の信念によるものとの事です。
武田信玄の信念があれば会社の組織も理想ですが、現在はダイバー
シティとか、働き方改革とか何とかで企業経営も大変です。
それにしても、躑躅、薔薇、憂鬱の漢字は難しくてすぐには、書けません。

三橋美智也の「武田節」を子供の頃から聞いていたので、歌詞のなか
にあるので、子供の記憶は忘れないものです。武田節の歌詞は以下
の通りです。

武田節
甲斐の山々陽(ひ)に映はえて
われ出陣に憂(うれ)いなし
おのおの馬は飼(か)いたるや
妻子(つまこ)に恙(つつが)あらざるや あらざるや

祖霊(それい)ましましこの山河
敵にふませてなるものか
人は石垣 人は城
情は味方 仇は敵 仇は敵

疾如風(ときことかぜのごとく)
徐如林(しずかなることはやしのごとし)
侵掠如火(しんりゃくすることひのごとく)
不動如山(うごかざること山のごとし)

躑躅ケ崎の月さやか
うたげをつくせ 明日よりは
おのおの京を 目ざしつつ
雲と興(お)れや 武田武士 武田武士

こんな難しい歌詞を子供の頃に意味がわからず歌って聞いていまし
たが、今になって役にたっています。
風林火山は詩吟でも定番です。
武田節と武田武士は語呂合わせですかね。

武田信玄の言葉に
「一生懸命だと知恵が出る」
「中途半端だと愚痴が出る」
「いい加減だと言い訳が出る」

とありますが、愚痴、言い訳の多い人に言ってやりたいものです。
私も影武者を立ててもらいたいです。若武者でありたいが、落武者
にはなりたくありません。
ところで、甲斐の国、山梨県は関東地方というと東京都、千葉県、
神奈川県、埼玉県、群馬県となり、山梨県は含まれません。
首都圏というと、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、群馬県、山梨
県と山梨県が含まれます。
東京国税局というと、山梨県、神奈川県、千葉県、東京都で埼玉県
は含まれません。
関東信越国税局となると、埼玉県、群馬県、新潟県、長野県、茨城県
からなり、栃木県と山梨県は含まれません。
我々は税務上の仕事では、国税局の管轄区分を山梨県と埼玉県を
入れ替えてもらいたいくらい不便しています。
山があっても山なし県というが、山梨県には富士山、北岳を含む南
アルプス、北アルプスと山脈が沢山あるのに。
もし、山なしであって、平野、海があったら戦国を制していたかも。

令和5年5月31日
    小関勝紀