今年のお正月明けに奈良県明日香村の国宝に指定されたキトラ古墳の見学に行ってきました。キトラ古墳壁画の四神の聖獣が南壁は「朱雀」、北壁は「玄武」、東壁は「青龍」、西壁は「白虎」、天井は「天文図」と石室内部に繊細な筆づかいで描かれていたものが発見された。このキトラ古墳の四神の聖獣の壁画の朱雀、玄武、青龍、白虎、天文台を見て、何でこの壁画なのかとくらいしか感じておりませんでした。
このキトラ古墳は、発掘調査前の元に戻しているので、その四神の高精細映像と原寸大のキトラ古墳石室模型を見学するしかありません。キトラ古墳とキトラとカタカナで書くが、亀は玄武、虎は白虎から亀虎(キトラ)古墳と命名したとの事です。
自分の本を整理するため本棚を購入して、整理していたら、昔読んだ「菜根譚(さいこんたん」という本があり、偶然にも目に止まり、読んでいたら先月のブログで「陰陽五行説」の事を書いたことがありますが、五行にこのキトラ古墳の四神の聖獣も含まれることを偶然知りました。
「菜根譚」は、処世訓の最高傑作と言われ、道徳の名言集の「論語」、謀略の知恵袋の「孫子」に指摘されるものとされている。菜根譚は、中国二千数百年前の戦乱の歴史の中での指針を求めた処世訓をまとめた書であるとされている。
キトラ古墳は、7世紀末から8世紀初めに築かれとされたものとすると、四神の聖獣の大陸風の壁画を築いた豪族は、中国の陰陽五行説を伝承した人々となり日本人の先祖はどこから来たのか。
改めて陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)とは、古代中国では、木・火・土・金・水の五つの気が万物の根源となる五元素だと考えられています。そして、五元素は互いに関係しあい、離合集散して世界の万物を生み出し、様々な事象を起こしていくと考えられていますが、古代中国の戦国時代の鄒衍(すいえん)という思想家が説いたものです。一覧図では
五行 木 火 土 金 水
聖獣 青龍(青) 朱雀(赤) 天文図 白虎(白) 玄武(黒)
色彩 青 赤 黄 白 黒
五臓 肝臓 心臓 脾臓 肺臓 腎臓
方向(方位) 東 南 中 西 北
季節 春 夏 土用 秋 冬
五官 目 舌 口 鼻 耳
感情 喜 楽 怨 怒 哀
五徳 仁 礼 信 義 智
聖獣と色彩も、色が同じであることに気が付きました。
ちなみに玄武岩という、岩石がありますが、四神の聖獣の一つの玄武の亀の甲羅(こうら)の模様から名づけられてものです。
陰陽五行説とは、陰は月、陽は太陽、木は木星、火は火星、土は土星、金は火星、水は水星と宇宙であり、キトラ古墳の石室も、仏法、人体の五臓、手、足の五本の指と同じ小宇宙と繋がっていることを改めて実感しました。
ちなみに今NHK大河ドラマの「光る君へ」、映画の「陰陽師0」にドラマのモデルになっている、陰陽師安倍晴明(おんみょうじ あべのせいめい)も、陰陽師五家に冠せられた「木火土金水」とは、この中国の陰陽五行説の五行の思想からきているとの事です。
その陰陽師五家は「木の家系」、「火の家系」、「土の家系」、「金の家系」、「水の家系」とそれぞれに呪術(じゅじゅつ)継承してきたといわれています。
またまたちなみに、宇宙を構成する五大要素は地(ち)、水(すい)、火(か)、風(ふう)、空(くう)ですが、仏法では塔婆と五輪塔の墓の形に表れ、地は骨、水は血液、火は体温、風は呼吸、空は人の体形を表しています。
五大元素 地 水 火 風 空
人体 骨 血液 体温 呼吸 体形
固形 液体 熱 気体 変化
五輪塔(墓) 方形 円形 三角形 半円形 宝珠
=塔婆
宮本武蔵の五輪書も、地の巻、水の巻、火の巻、風の巻、空の巻から、成っています。
小宇宙である私の体は、現在は回復していますが、私は珍しく先日風邪を拗らせて咳き込み、頚椎の変形から、薬指、小指が不自由となり、以前には坐骨神経痛で足が痛み痺れ、今年はノロウイルスに二回目も感染して、腸がしっかり綺麗になりました。
五濁悪世(ごじょくあくせ)の汚れにだけは、皆さんも関わらず生きていきたいものです。
令和6年4月30日
小関勝紀